声って、何でこんなに一人ひとり違うんですか?
これまで呼吸を中心に解説しましたが、実は声帯とか鼻腔・口の形など、様々なものが違うから、人によって異なるんです。
それぞれに鍛え方があるのですか?
そうなんです。その前に、「そもそも声が出る仕組みとは?」から解説しますね。
日頃当たり前に出している、声。だからこそ、感覚的で抽象的で、何となく「性格によるの?」と思いがちです。
しかし、声には出る仕組みがあり、たくさんの臓器・器官・筋肉が関係しています。
まずは、それらを知ること。ゲームだって、攻略するにはルールや場面設定の理解が欠かせませんよね(笑)
本記事で、声の仕組みが分かれば、どこを鍛えればいいかを知る手がかりになり、美声への近道となります。
声が出る過程
それでは、一つ一つのSTEPについて、もう少し詳しく解説していきます。
STEP1:脳から「声を出せ」と指令を送る
脳は、大きく分けて、以下の3つの司令塔の役割をしています。
- 大脳:ものを考えたり、決めたりする
- 小脳:歩く・走るといった運動
- 脳幹:呼吸など、生命をコントロールする
細かな説明はここでは省きますが、複雑な回路をたどり「声を出そう」「話そう」と指令を送ります。
STEP2:肺から空気を送る
続いて、呼吸です。呼吸は肺を使って行います。
しかし、肺には筋肉がありません。そのため、周りの筋肉を使って肺を膨らませています。
呼吸は、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」に大別されます。
- 胸式呼吸:肺の周りの筋肉を使い、肋骨を広げることにより肺を膨らませる
- 腹式呼吸:肺の下にある横隔膜を使って肺を膨らませる呼吸
当然ながら、骨である肋骨よりも、筋肉である横隔膜の方が、柔軟性がある=伸び縮みしやすいのです。そのため、腹式呼吸の方が空気が多く入り、その分力強くもなりますし、息も長くなります。
STEP3:肺からの空気で、声帯が振動して、音が鳴る
肺から出た空気は、声帯へ行きます。
声帯とは、喉の奥にある発声するための器官で、左右2枚のヒダ状になっています。声帯の表面は粘膜ですが、中は筋肉や靭帯でできています。筋肉ですから、当然鍛えることができます!
①声を出した時:2枚の声帯と声帯がこすり合わさり、振動します
②息を吸った時:声帯と声帯の間(声門)が開き、その間を息が流れます
そして、声帯の振動数が多いと高音、振動数が少ないと低音が出ます。
また、声帯から出る音を「喉頭原音(こうとうげんおん)」と呼びます。
この喉頭原音は、なんと!ほとんど個人差が無いと言われています。つまり、声帯から発生した音を、この後に通る共鳴腔・口・舌などでどのようにして出すかで、声が大きく変わるのです。
ただ、余計な力を入れ過ぎ=声帯がこすれ過ぎると、声が枯れたり、もっとひどくなると声帯にポリープができたりします。一方、声帯の筋力が衰えると、声を出していても、声門が空いたままで声帯同士が上手くこすり合わない=息もれの状態となります。
STEP4:音が、喉・口・鼻で響く
声帯で作られた音は、喉頭腔(こうとうくう)→咽頭腔(いんとうくう)→鼻腔・口腔といった、4つの共鳴腔(きょうめいくう)を通ることで、音が増幅されます。
この共鳴腔は全て空洞になっていて、ここを広げると、より響きのある豊かな音/声になります。
しかし、緊張していたり姿勢が悪かったり・・・そんな状態が続くと、その空洞は狭く細くなってしまいがちです。そうなると、空気も通りませんし、響きも出ず、細く弱弱しい声になり、声量も当然小さくなります。
余談ですが、お風呂場や音楽ホールで声が響くのは、ある程度の広さの”空間”があるからなんですよ
- 鼻腔:ハミング
- 口腔・咽頭腔・喉頭腔:あくび
STEP5:口・鼻・唇・舌によって、「声」になる
音が、口・鼻・唇・舌によって、母音・子音が作られ、ここではじめて「声」が生まれます。(おめでとうございます 笑)
日本語には50音あり、それぞれに正しい口・鼻・唇・舌の動かし方・使い方・位置などがあります。
それらは、今後別の記事でたっぷりと解説させて頂きます。
本記事のまとめ
本記事では、「そもそも声はどのように出るの? 仕組みを知ってもっと美声に!」と題し、声が出る過程をステップ別にお伝えしました。各過程の鍛え方については、それぞれの関連記事をご覧ください。また、今後も各記事をブラッシュアップしていきたいと思います。
記事へのご質問・ご感想、トライしてみてのご意見など、遠慮なくコメントしてください。お待ちしております♪
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