あなたは、この1週間で何回「えっ?何??」と聞き返されましたか?
私も何度も聞き返されて、その度にうんざりしています。
そうですよね。
実は、私も以前はそうだったんですよ。
本当ですか?
そうなんです。今でこそボイストレーナーですが、20年近く前は滑舌が悪かったんです。
これまでにやったトレーニング方法を教えてください!!
楽しい話題で盛り上がっているときに、「え?」と言われると、空気が止まる→気持ちが冷める→自信をなくす・・・まさに負のスパイラル😨
本記事では、ボソボソ喋りだった私が、今日に至るまでに行った練習のうち、お勧めのものを5つに厳選してご紹介します。
これを実践していただければ、あなたもボイストレーナー・・・とまではいかずとも(笑)、自信を持って楽しく人前でお話できるようになるはずです。
本記事でお伝えする結論
声を鍛える「腹式呼吸」
突然ですが、クイズです。
○○と△△には、何が入るでしょうか? ○○には同じ言葉が入ります。
※ をクリックすると、正解が確認できます。
たくさんの○○が必要
○○の△△△を確保する
たくさんの空気が必要
空気の通り道を確保する
声が小さい方の多くは胸式呼吸です。
肺の上しか使っていない=呼吸が浅い状態になっています。そればかりか肋骨が邪魔をしているため、物理的に空気が入らない構造になってしまいます。
風邪を引くと呼吸が浅くなり、肩で息をしてしまいますよね。これは呼吸が浅くなっている証拠です。声が小さい方は、風邪でなくても肩が上がっていませんか。鏡で一度確認なさってください。
これを解決するのが腹式呼吸です!
横隔膜を使って肺の下までしっかりと空気を入れる=肺をフル活用する呼吸法です。
横隔膜は肺の下にあり、肋骨と違って筋肉ですから伸び縮みするできます。肺の下まで空気を入れると、横隔膜が下に下がります。横隔膜が下がった分、内臓(お腹)が前に膨らみます。これが吸った状態です。そこから、今度はお腹を凹ませながら、横隔膜を上に戻します。そうすると、自然に空気が吐ける-このポンプの仕組みが腹式呼吸と言われています。
空気を多く吸い込む分、当然吐く息の量も多くなります。そうすると、声帯がよりしっかり振動して、聞き取りやすい声が出せるようになります。
滑舌を鍛える「舌と表情筋トレーニング」と「外郎売」
またクイズです。そもそも滑舌とは何でしょう?
うーん、ハキハキしゃべること・・・ですかね。
正解です。「滑らかな舌」と書きますよね!
つまり、舌の動かし方がとっても大事なんです。
明確で聞き取りやすい滑舌を実現するためには、以下の2つのポイントがあります。
①50音全てに、正しい舌の位置・動かし方、口の形、唇の動きがある。
②これらをかなえるための、表情筋・舌の筋力をつける。
これらが足し算のように合わさっていくことで、よりクリアな発音が達成できます。
そもそも、人間の舌はすべて筋肉でできています。牛のタンと同じで(笑)、骨は一切ありません。つまり、筋肉ですから鍛えることができるのです!
しかし、レッスンで正しい舌の位置や動かし方をお伝えしても、その通りの位置に舌を持っていけなかったり動かせなかったりする方がいます。私もそうでした。これは、舌の筋力や口の周りの筋力(表情筋)が足りていないからです。そこでオススメなのが、舌のストレッチと表情筋のストレッチ。いわば、舌と顔の柔軟体操・筋トレです💪
これがある程度できてくると、舌が本来の正しい位置に持っていけたり、スムーズに動かせたりするので、クリアな発音が達成されます。
そして、その発音をより定着させるためにおすすめな方法が早口言葉の代表格:外郎売です。これは、歌舞伎の演目として古くから親しまれているもので、アナウンサーなど話すプロの練習の大定番でもあります。
①表情筋ストレッチ&舌のストレッチ
②正しい50音の発音
③外郎売
の順番に進めていきつつ、つまずいたら元に戻る⇔進めるの繰り返しで、より高い効果・定着が期待できます。
表現力を鍛える「朗読」
そもそも、朗読と音読はどう違うのでしょうか?
朗読も音読も、どちらも声に出して読むことに変わりはありません。しかし、朗読は以下のことを主な目的としています。
文部科学省ホームページ等
- 相手に意図を伝える。
- 正確・明晰・流暢(正しく・はっきり・すらすら)を目標とする。
- 聞く者にイメージや情念を喚起させるように、いわゆる「表現として」読む。
- 読者の受け止めた作者の意図・作品の意味・場面の雰囲気・登場人物の性格や心情等を含めた、作品の価値や特性を音声で伝える。
そして、作品を聞き手に、より表現豊かに伝えるためのポイントを、以下にまとめました。
・間:言葉と言葉、文と文、段落と段落の間で、それに応じた間を取る
・緩急:ゆっくり読んだり早く読んだりする
・高低:声を高くしたり低くしたりする
・表情:声でも喜怒哀楽の表情をつける
・声色:2人以上の登場人物で声色を使い分ける
他にもいろいろなテクニックを使いながら、その情景や意図を伝えていきます。
これがプレゼンテーションやスピーチ・面接・・・その他あらゆる話す場面、特に説得力を持たせたいシチュエーションで、効果が期待できます。
聴き上手になる「積極的な傾聴」
私が元コミュ障だったもう一つの所以は、一方的に私ばかりが喋ってしまうことでした。
コミュ障とは言え、話すこと自体は結構好き。今振り返ると、「認められたい」「褒められたい」という気持ちが先行し、話の輪の中心を取りに行ってしまいたくなる衝動に駆られました。
でも、それって・・・独りよがりですし信頼が得られないんですよね。
キャリアコンサルタントの養成講座で、如何に人の話を聴いてこなかったかという壁にぶち当たりました。岡部だけに、「おっ、壁だ!」😅
そんな冗談はさておき、同講座では傾聴の基礎を徹底的に叩き込まれました。その一部がこちら。
・自然な視線・身振り手振り
・私情を挟まず、相手の言葉をそのまま伝え返す
・幅広い視点で答えられるオープンクエスチョンと、相手が答えやすいクローズドクエスチョンを使い分ける
・相手の行動を褒めたり労ったりすることで、相手の存在そのものを承認する
これらはほんの一例にすぎませんが、キャリアコンサルティングのトレーニングのみならず、家族・友人・当時の職場など、さまざまなところで意識し実践することで、少しずつでも一歩ずつ確実に人の話を聴けるようになったと、実感しています。
メンタルを整える「心のスイッチング」
とは言え、私も人間ですから毎日絶好調ではありません。体調が悪いこともありますし、特にイライラしたり悲しいことがあったりすると、声にどうしても出てしまいます。
当教室の屋号:声となり空間の由来は、「声は人なり」。
つまり、声はその人の人となりを表すという意味。それだけ人間力が問われるのが、声なのです。
例えば家庭でイライラを感じる瞬間があっても、お客様や仕事仲間には全く関係のないこと。そこでいったん気持ちをリセットして、ボイストレーナー/キャリアコンサルタントの”役を演じる”ことで、スイッチを切り替える感覚を会得しました。
加えて、仕事でストレスがあっても、元々は自分で選んだ仕事。だから、仕事があることに感謝。家庭でストレスがあっても、自分で望んで結婚した以上、家庭を持てた幸せに感謝するように心がけております。
本記事のまとめ
本記事では、元コミュ障だった私がボイストレーナーになるに至るまでに行った数々のトレーニングの中でも、特に効果があった且つ大切なものを5つに絞ってお伝えしました。
このブログでは、今後これらのさらに詳しい解説を掘り下げたり、その他のトレーニングメニューや考え方・ノウハウ等をお届けしてまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。